弊社にて設計・監理をさせていただいておりました鳥取県中小企業団体中央会様の新社屋が竣工いたしました。

＜竣工式のテープカット＞

鳥取県中小企業団体中央会とは中小企業等協同組合法により、中小企業の組合等連携組織を会員として設立された団体で公益性の高い団体です。

貴団体では組合等の設立や運営の支援、金融・税制や労働問題など組合並びに中小企業の経営に関する相談業務等を行われています。

今回の計画では、鳥取の経済を支える「中小企業の拠点となる新しい社屋」を意識した設計を行いました。

様々な打合せに対応できる会議室や、リモートでの打合せや少人数での相談に対応できるオンラインルームなど企業の伴走支援強化を実現する機能を備えています。

＜20～30人程度の研修が行える研修室＞

＜密な打合せ等を行うための特別室＞

＜リモートでの打合せや少人数での相談を行うオンラインルーム＞

とりわけ、本施設では環境に配慮した先進的施設としてZEB(Zero Energy Building)の認証を得ています。

ZEBとは建物で利用される空調や、照明などの消費エネルギーについて、国が定める「基準一次エネルギー消費量」よりも実際の設計での「設計一次エネルギー消費量」が50％以下となる建築物のことを指します。

今回の新社屋では、高効率空調や全熱交換器による空調負荷軽減や断熱性の向上を図ることでZEBを達成しています。

また、そのような機能性に加えて、新時代の拠点としてふさわしい意匠としています。

外観は石目調を基軸としながら、縦方向の白い凹凸面によって外壁を分割することで重厚感だけではない軽快さやスタイリッシュさを演出し、水平方向に通る伸びやかな庇がそのファサードを引き締めています。

また、内観はモノトーンと木調を組み合わせ、全体の風格と親しみやすさが調和する計画としました。

＜外観＞

＜奥行感を意識した事務室＞

＜あたたかみのある木調の1階ホールと、広がりを感じさせるスケルトン階段＞

さて、私の地元には古くから商人たちの間で広がった「三方よし」という考え方があります。

これは、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という考え方であり、企業が自社だけの利益を追求するのではなく、社会全体の幸福を願う経営哲学です。

この場所は中央会関係者の方々の思いと、確かな技術力で建築していただいたやまこう建設の方々の協力により竣工いたしました。

本工事が無事に竣工することができたことを中央会関係者の皆様、やまこう建設の皆様に感謝申し上げ、これからは鳥取の中小企業の方々の発展や、ひいては鳥取県の未来を照らし、鳥取の「三方よし」を体現するような場所になることを願っております。

＜外観（夜景）＞